北九州市民球場名物『乱入』は今年も起きたのか!?ゲームセットの瞬間を撮ってきた

度重なる野球ネタで申し訳ないのですが昨日、急遽友人に誘われ北九州市民球場で行われたイーグルス戦に行ってきました。
北九州市民球場は野球マニア、とりわけ全国の球場を行脚するような球場マニアの間では『(一部の観客のみですが)観戦マナーが悪い球場』として知られています。

マナーが悪いとされる点として、

・外野席でのブルーシートを使った場所取り。おかげで立ち見客続出。
・座席での喫煙。ジェット風船にタバコの煙を注入して飛ばす。
・試合に目もくれず通路で酒盛りする集団が続出。
・試合後は勝っても負けてもグラウンドに乱入。警備員との捕物帖が勃発。

などが挙げられ、非常にカオティックな空間に仕上がっています。

とりわけ、『乱入』についてはこれが原因で北九州市民球場でのホークス主催試合が減ったとも言われています。選手や関係スタッフに何かしらの危害が加わるようなことが起こると大変です。

この観客の取り押さえられ方。漫画『ストッパー毒島』でしか見たことありません。テイクダウンからマウントポジションへの流れるような連携を見るとこの警備員の方、どうみてもその筋のプロにしか見えません

このような背景から「グラウンドへの立ち入りはおやめください。来年から北九州で試合ができなくなります」といった警告を促す看板が球場内のあちこちに立てられ、数年前から外野スタンド最前列とフェンスの間に三角コーンが立てられ、立ち入り禁止区域とするなど乱入防止策が講じられてきました。

こういった事実、普段福岡ドームにしか足を運ばないホークスファンの方にはご存じない方も多いのではないでしょうか?

さて昨日の試合ですが、経過はバルデス君のホークス戦評に譲るとして、見事ホークスが完勝。
そして全国の『乱入マニア』が固唾を飲んで見守っていたであろう緊張のゲームセットの瞬間がこちら。

ゲーム終了と同時に速やかに守備陣形を整えるスタッフに注目。数々の乱入防止策が実ってか、今年は無事に試合終了を迎えることができました。

また、このあと移籍後初のヒーローインタビューとなった内川選手が「あまり知られてないですけども、子供の頃ホークスファンクラブに入ってましたから。(スタンドで見てる観客を指して)皆さんが応援してくれてチームが勝つ喜び、自分も知っていますから。みなさんも一緒に戦ってください!」との興味深い発言も飛び出しました。

ホントファンの喜ばせ方を心得ているよなぁ。移籍以来ホークスファンのハートをグイグイ鷲摑みにしてますよね。バッティング技術もさることながらこういったマイクの巧みさは一流のプロ選手だなと改めて思わされる次第です。

話は北九州市民球場に戻りますが、『観客のマナーが悪い』とネガティブなことを書かせていただきましたが私ゲーリー落合、そんなマナーの悪さも含めてこの球場大好きです。
建設から50年以上経過した北九州市民球場は広島市民球場亡き今、色濃く昭和の香りを漂わせる(プロ野球のフランチャイズ球場として)唯一の球場ではないでしょうか?

行ったことはないですが南海ホークス時代の大阪球場や、他にも川﨑球場、藤井寺球場、日生球場もきっとこんな雰囲気だったのかな?とかそんなノスタルジーに浸ることができます。正しくは昭和のパリーグの香りという感じですね。

何より観客がアツイ!上の動画を見ていただくと分かると思うのですが、この球場の中で比較的上品だと思われるネット裏の席でも充分デカイ声援が飛び交っています。これ福岡ドームのネット裏でやったら完全に浮きますw
全天候型のドーム球場の乱立でいつからか野球場が上品な観光スポット化したように思えます。時代を同じくして競馬場なんかでもデートスポット化するべく小奇麗になっていきましたね。
その代償として大きな声を出すことがはばかられる場所となり、人々の『声』を奪っていったように思います。

北九州市民球場には嬉しい!くやしい!そんな人々の根元的な『声』がまだまだ息づいています。
そんな『声』を殺してしまうことと乱入防止策をはじめとする数々の規制は一歩間違えると同義になりかねません。がんじがらめに規制されてしまうと恐らく北九州市民球場の良さは消えてしまうでしょう。
もちろん規制に反対しているわけではないですよ。熱気溢れる球場づくりは運営とファンが協力しあって初めて成り立つものだと考えているわけです。
従って、私のようなファン側としては規制でガッチリ縛られる前に「この一線を越えたらマズイな」という分別をもって自由に野球を楽しもうじゃないか、とそういうことです。